NANA






NANA


 

 

第7話~前編~

 



神様 仏様 大魔王様!!











やった~!!!







やった!

春だ

とうとう春が!

待ち焦がれた春が来たよ~!!!!




早く会いたいよ章司~ハート



  クローバー  クローバー   クローバー   クローバー   クローバー
   


淳ちゃん「それでは章司の大学合格を祝してカンパ~イ」


淳ちゃん「いやぁ~しかしよかった一浪して頑張ったかいあったじゃん」

章司「一浪一浪言うな」

ジャクソンのマスター「いやほんとよかったよね俺 絶対落ちると思ってたもん」

章司「ぬゎんだと佐藤公一」

淳ちゃん「だってあんた毎晩のようにここでなごんでたじゃん」

章司「だってここ酒も飯も上手いんだもん」

淳ちゃん「章司ケイタイなってるよ」

章司「もしもし奈々?メール読んだ?いやいやありがと~ハート



章司「うん 今、京助と淳子とジャクソンで飲んでたとこ。

そうそういつも話してる行きつけの店。

奈々は?今何してた?」




奈々「荷造りしてたハート





章司「奈々がこれから東京来るって!」




京助・淳子「はい!?」





それは今思えばほとんど家出に近い状態でした。

だけど うちの親はたいして驚きはしなかったそうです。




うちには私より2つ上の姉と2つ下の妹もいて普段から何かと騒々しい

ファミリーだったのに加え、その頃の私ときたら寝ても覚めても東京に

生きたい、東京に住みたいってそればかりわめきちらしていたので

両親は内心やっとうるさい娘が一人減ってやれやれといったところでしょうか







そんなファミリーから巣だっていく淋しさも

20年間住み慣れた街を後にする感傷もその時の私には皆無でした







奈々「東京まで片道」


駅員「今日は雪でダイヤ乱れてるよ」


奈々「いーです。着けばなんでも」


とにかく東京へ出て行けることが嬉しくて嬉しくて

私の心は希望と期待で満ち溢れていました











これからは


東京の空の下で


毎日章司に会えるんだ


電話やメールじゃなくって顔を見ながらたくさん話せるんだ


ああもう今すぐ東京駅のホームに降り立ちたい


なんて思っても現実は・・・


到着まで2時間もあるし



車内放送「御乗車ありがとうございます。

当列車は雪のため40分送れて発車となりました。」














何これ 混んでるじゃん

2時間も立ちっぱなしなんてやだ

けちらないで指定とればよかったかな

早く座って章司にメールしたい











ここは空いているのかな?








奈々「あの~すいません」

















きゃあ

ずでっ


何!?

なんで急停車するの?

列車事故?

もしや今頃恐怖の大王が!?





ナナ「大丈夫?」







奈々「大丈夫です!ごめんなさい!」

ナナ「こっちこそごめん。これの下敷きになったでしょ」

奈々「平気!」

奈々「あの・・・ところでここ空いてますか」








ナナ「どうぞ」





きれいな人。。。。ってゆーか かっこいい

なんか凡人と違うオーラを感じる

細いし小顔だし芸能人?(それならサイン欲しい)







睫毛長いなーーー(どこのマスカラ使ってるんだろう)

いいなこんな派手なメイクが似合って


やっぱ美人はなにやってもキマルな(神様って不公平)







あっ ヴィヴィアンの指輪(しかし年季入ってる)

ますますかっこいい・・・





どきっ




ナナ「ごめん。煙い?」




奈々「あっ いえ 平気です全然!」







ナナ「動かないね」

奈々「え?」

ナナ「電車・・・さっきからずっとこんな調子でさ」

奈々「え?そーなんですか?どーしよー私急いでるのに」


ナナ「そう困ったね」

奈々「いえ 大丈夫です」







メール打っとくし!

ピポパピポピピ







ナナ「早技だね~さっすが今どきの女子高生は違うなぁ~」

奈々「私もうはたちなんですけどぉ~」

ナナ「え!」





ナナ「あはは~ごめん。なんだ同い年か」


あっハート笑うと可愛い


奈々「ってゆーか今どきの女子高生とか言うんだもん。いくつかと思った」

ナナ「あははは。あーついね。アナログな人間だから」








車内アナウンス「お客様へお知らせします。

雪のため当列車はしばらく徐行運転でまいります

お急ぎのところ誠に申し訳ありませんが・・・・」






奈々「そんな・・・いつになったら東京に着くの?」








ナナ「東京には何か用事?」

奈々「あっ用事って言うか・・・上京ハート東京で仕事探そうと思って」




ナナ「へぇ~同じだ」

奈々「えっ?上京組み?なんだ~東京の人かと思った。

巡業の帰りじゃなかったんだ!」


ナナ「巡業?」

奈々「コンサートとかギター持ってるしミュージシャンかと思ったんだ

じゃあバンドとかやってるの?」








ナナ「地元ではやってたけど・・・」

奈々「へぇ~ハート地元どこ?」







奈々「あっメール?じゃないや電話だ」





奈々「ハイハイ奈々ですハート




あっ章司 うんそうなの電車止まっちゃって・・・

今は動いてるんだけど凄いゆっくりでいつになったらそっち着くか

さっぱりわかんないよ。どーしよー」

奈々「えっ?いいの。
だってもしかしてこのままだと夜中とかになっちゃうかも・・・
ホントにいいの?」

奈々「うん。ありがとう。じゃ時間わかったら電話するね。」






ナナ「彼氏東京の人なの?ラブラブだね~ハート
なるほどね・・・男追いかけて東京行くんだ」

奈々「違っ・・・ってゆーか・・・そんなんだけど」

ナナ「あはは・・・どっちよ」



奈々「東京の人ってゆーか 元々は地元で同じ専門学校だったの

でも、東京の美大受けるために一年前に上京しちゃって」




ナナ「何でその時一緒に行かなかったの?」


奈々「私は行くって言ったんだよ でも章司が・・・彼がダメだって」


ナナ「何で?」

奈々「私には目標もお金も無かったから・・・

そーゆー闇雲なのはよくないって・・・」

ナナ「なるほど」

奈々「それで私は泣く泣く地元残って上京資金貯めたんだ

章司が大学受かったら私も東京行くって約束だったの

東京着いたらちゃんと仕事見つけて追い返されないように

しっかり頑張らなきゃ」





奈々「ってなに行きづりの人にこんな話してんだろ!私・・・

ごめんなさい・・・」

ナナ「いーじゃん もっと話してよ 暇でしょうがなかったんだ
まだまだ長い旅になりそうだしさ」

奈々「そっか そうだね」






後編へ続きます。



アンル

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